菊池がんクリニック

お一人お一人の病状に合わせた治療を、患者さんの病状を見極めながら
きめ細やかに抗がん剤や分子標的薬を投与していきます。
患者さんのQOL(Quality of Life 生活の質)を
最大限に考えた治療をおこなっています。

 

INDEX

当院のがん治療について (Treatment stratege for Cancer)

当院に来られる患者さんは、他の大学病院、国立病院、がんセンター等で、標準治療を終えても効果がなく増悪し、もしくは一旦寛解が得られても再発を繰り返して、さらなる治療のてだてを求めて来られる方がほとんどです。

 

このように、治療に最初から抵抗性を示すがんを“難治性がん”といい、治療に反応しても再発したがんを“耐性がん”といいます。 このようながんに対しては、比較的副作用が少なく、がんの個性に合わせた治療が必要となります。

 

そこで当院では、副作用が少なく効果が期待できる、がんの個性に合わせた種々の分子標的薬を、単独または抗がん剤と併用して使用して治療いたします。

分子標的薬の仕組みについてーこちらをごらんください

 

また最近では、このような治療に奏効してきているが、完全寛解にまで達しない患者さんに、免疫チェックポイントインヒビターを使用する場合もあります。ーこちらをごらんください

 

当院で行う治療は、毎年米国シカゴで行われるASCO(米国臨床腫瘍学会)で発表され、好評を得ています。発表の様子は、当院の院内新聞KI news & topicsでお知らせしておりますので、ご覧下さい。ーこちらをごらんください

 

当院での目標は、このような難治性および耐性がんを如何にして完全寛解までもっていくかにあります。がんとその周囲の微小環境とのクロストーク(混線)をうまくコントロールできれば、がんとの共存も可能です。

 

今や2人に1人ががんになる時代です。“がんになったらおしまい”ではありません。どんながんでも完全寛解が期待できます。完全寛解が得られなくても、社会生活が普通にできる、がんとの共存も可能です。

 

セカンドオピニオンも含めて、どのようなご相談にも懇切丁寧にご納得いくまでご説明をいたします。困った時の“菊池がんクリニック”です。お気軽にご相談ください。

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婦人科がん治療の最前線 (Recent-treatment of Gynecolgic Cancer)

難治性の子宮平滑筋肉腫の症例について、2014年および2015年、米国シカゴで開かれたASCO(米国臨床腫瘍学会)での発表と、2016年同じく米国ニューオリンズ開催されたAACR(米国癌研究治療学会議)でlate-breaking sessionで発表したデータについて報告させていただきます。

 

AACR学会発表

 

上の表に示すように、当院で使用しているTemozolomideとBevacizumabの組み合わせ、あるいはこれにCabozantinibを上乗せする治療法は、本邦でも平滑筋肉腫を含む軟部肉腫に承認されたEribulinおよびTrabectedinに比べ、格段に良い成績を得ています。

症例はまだ17例ですが、2017年のASCO(米国臨床腫瘍学会)には20例近い症例で報告できるものと思っております。

また、卵巣漿液性腺がんの難治症例に対するBevacizumab/Eribulin/Oxaliplatinの有効性および子宮体部腺がんの難治症例に対するTemsirolimus/Eribulin/Oxaliplatinにメトホルミンを追加投与する方法についても、2017年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で報告する予定です。

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当院の最新の治療法(レジメ)について (Regimen)

以下は最新の治療法で、現時点では、副作用も少なく最も効果があると 考えられている治療法です。

 

1.再発子宮平滑筋肉腫

テモゾロマイドとアバスチンの組み合わせ

2.再発卵巣明細胞腺がん

トーリセル―ヨンデリス/エルプラットの組み合わせ

3.再発卵巣漿液性腺がん

アバスチン―エリブリン/エルプラットの組み合わせ

4.再発子宮体がん(類内膜腺がん,ER⊕)

パルボシクリブ/フェマーラ

5.再発卵巣粘液性腺がん

トラメチニブ―エトポシド/シスプラチン

あるいは トラメチニブ―パルボシクリブ

 

上記について、詳しくは当院窓口にお問い合わせください。

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当院の治療例

当院で行っている前治療歴のある治療抵抗性婦人科がんの治療について

 

卵巣がん(Ovarian Cancer)

Serous adenocarcinoma

Weekly Bevacizumab-Eribulin/Oxaliplatin

P53 elevation;nutlin

IL-6 elevation:Tocilizumab

BRCA1/2 positive:Olaparib 800mg/BID+TC

 

Clear cell carcinoma

Weekly Temsirolimus-Eribulin/Oxaliplatin with Metformin

Or Bevacizumab-Eribulin/Oxaliplatin

(Palbociclib/Cabozantinib)

 

Endometrioid carcinoma

Weekly Bevacizumab or Temsirolimus(+Metformin)-Eribulin/Oxaliplatin

BRACA1/2 positive:Olaparib-TC or Gemzar/Oxaliplatin

 

Mucinous adenocarcinoma

Weekly Bevacizumab-Abraxan/Oxaliplatin

(Palbociclib/Trametinib)

 

子宮体がん(Endometrial Cancer)

Endometrioid adenocarcinoma

Weekly Temsirolimus-Eribulin/Oxaliplatin with Metformin

ER positive; Palbociclib with aromatase inhibitors

 

Serous adenocarcinoma

Weekly Bevacizumab-Eribulin/Oxaliplatin

 

Clear cell carcinoma

Weekly Temsirolimus-Trabectedin/Oxaliplatin with Metformin

 

Mucinous adenocarcinoma

Weekly Bevacizumab(or Trametinib)-Abraxan/Oxaliplatin

 

子宮頸がん(Cervical Cancer)

Weekly Bevacizumab-Abraxan/Oxaliplatin

(mucinous;Palbociclib/Trametinib)

 

子宮肉腫(Leiomypsarcoma of the uterus)

Weekly Bevacizumab-Temozolomide with or without Cabozantinib

 

分子標的薬の投与はheavily pretreated casesの再発例にも有効であると共に、これまで有効な治療法のなかった難治症例にも有効であると思われます。

アバスチンを使用した場合Ischemic colitis(虚血性腸炎)が腸管穿孔の原因とされているので、腹痛、腹鳴などがある時には飲食を制限するようにお話しています。最近では穿孔症例は見られなくなりました。

Torisel(Temsirolimus)のWeekly投与は難治性卵巣がん(明細胞腺がん)に効果があり、2010年ASCOで発表しました。

そして2014年のASCOではTrabectedinとの併用を発表し、high-light sessionに選ばれました。

またホルモン依存性の子宮体がんにも効果が期待されています。

難治性卵巣がんに対するDoxilの効果は単独では20%程度であるが、アバスチンを組み合わせることで40%を超える効果が期待できます。

子宮平滑筋肉腫の3例で、デモダールとアバスチンの併用でCR及びPRが得られ、2014年、2015年のASCO、そして、2016年にはAACRのlate-breaking sessionで発表しました。

ハイグレードの漿液性卵巣腺がん例ではweekly bevacizumab+eribulin/oxaliplatinによる治療例が30例近くとなり、2014年及び2015年のASCOで報告しました。

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ASCO(米国臨床腫瘍学会)について

ASCO(American Society of Clinical Oncology)総会は、100か国以上から約35,000人の参加者が集う世界最大、最高峰の臨床腫瘍の学会です。 日本語に訳すと、“米国臨床腫瘍学会”となりますが、がんを専門とする医師たちが集う、世界でもっとも権威のある学会です。

ASCO(American Society of Clinical Oncology)は1981年に創立され、今年で30年になります。

ASCOより古くからあったAACR(American Society of Cancer Research 米国癌学会) は今年で70年になります。

当クリニックが参加し始めた頃のASCOは、AACRと同じ会場でAACRに引きつづいてASCOが開かれるという形でした。1995年頃からAACRとASCOは別会場で開かれるようになり、ASCOはさらに大きな学会となり、今では参加者数50,000人、会員数も30,000人を越える巨大な学会となりました。

AACRはその基幹雑誌はCancer Researchですが、ASCOの基幹雑誌はJournal of Clinical OncologyでそのImpact factorは18になろうとしております。

当クリニックが開院して3年目でようやく症例が集まり、2009年のASCOにはweekly bevacizumab + doxilによる再発、耐性卵巣がんに対する治療効果について演題を提出したところGeneral poster sessionに採用されました。

実はASCOでの発表は大変厳しく5,000題を越える応募演題のなかから約70%が採用となりますが、そのうちの約半分2500題はePosterで抄録発表のみで、会場で発表できるGeneral poster sessionに選ばれるのは35%程度ということになります。

そして2010年には卵巣明細胞腺がんにmTOR阻害剤のtemsirolimuを投与したところ効果があることを見つけ、僅かに6症例の報告でしたが、General poster sessionに選ばれました。

そして2011年にも再発子宮頸がんに対するweekly bevacizumab+paclitaxel/carboplatin with or without sorafenibの効果をまとめて演題を提出し、また再発、難治性卵巣がんに対するweekly bevacizumab+doxilの効果を39例に増やして提出し、2演題とも採用されました。

ここに選ばれることは大変名誉なことで5000を越す応募演題の中から100題前後しか選ばれません。同じ分野の臨床医たちが同じ会場に集まり、Poster discussion sessionに選ばれた演題は、米国を代表する医師によって一題一題紹介され、その演題の良い点、足りない点、等の講評がなされることになります。

ASCOの会場は例年イリノイ州の都市シカゴのマコーミック・プレイスという、幕張メッセの2倍の大きさを有する会場で行われています。ここは世界一の大きさといわれ、会場の端から端まで歩いて30分もかかります。

以下に、ASCOでポスター発表として選ばれた当クリニックの治療成果の内容を、年度ごとに掲載しました。

 

●2009(平成21)年 再発、耐性卵巣がんに対するアバスチン+ドキシルの週投与による治療効果

 

●2010(平成22)年 卵巣明細胞腺がんに対するmTOR阻害剤のテムシロリムスによる治療効果

 

●2011(平成23)年 ・再発子宮頸がんに対するアバスチン+パクリタキセル/カルボプラチンにソラフェニブを加えるか加えないかによる週投与の効果

・再発、難治性卵巣がんに対するベバシズマブ+ドキシルの週投与による効果

 

●2014(平成26)年 ・再発卵巣明細胞がんに対するテムシロリムス+トラベクテジンの効果

・プラチナ抵抗性再発卵巣がんに対するベバシズマブ+エリブリン+オキサリプチン併用療法の効果 

・再発子宮平滑筋肉腫に対するテモゾロミド+ベバシズマブ併用療法の効果

 

●2015(平成27)年 ・プラチナ耐性卵巣がん患者における、アバスチン、エリブリン、および、オキサリプラチンの週投与卵巣の再発性透明細胞癌に対するテムシロリムスおよびトラベクセジンとの併用療法:バイオマーカー分析による第II相の研究 

・卵巣の再発性明細胞がんに対するテムシロリムスおよびトラベクテジンとの併用療法:バイオマーカー分析による第II相の研究  

・強力な耐性を有する子宮平滑筋肉腫患者におけるテモゾロミドとアバスチンに対するカボサンチニブの併用効果

 

●2016(平成28)年 AACR(米国癌学会)にてポスター発表

強力な耐性を有する子宮平滑筋肉腫患者におけるとテモゾロミドおよびベバシズマブに対するカボサンチニブの効果。

 

●2017(平成29)年 再発卵巣がんに対するベバシズマブ+エリブリン+オキサリプラチンの併用療法の効果

  

●2019(令和元)年 再発明細胞腺がんに対するテムシロリムスとトラべクチンによる併用投与

・血清IL-6レベルの再発・難治性婦人科がん治療におけるサルコペニアと その予後を予測する

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免疫療法について  

‟免疫‟って何のためにあるのですか?

免疫とは、自己以外の異物が侵入するのを防ぐために有効に作用します。しかし、がん細胞のように自己から発生した細胞に対して殺細胞効果を発揮させようとすると、正常な細胞をも攻撃することになります。したがって、正常細胞には作用しないで、がん細胞だけを攻撃するようにする戦略が必要になります。

現在いくつかの免疫チェックポイントインヒビターが開発され、悪性黒色腫や一部の肺がんなどで保険採用となっておりますが、これらの薬剤の投与は思わぬ副作用が現れることがあります。

自己免疫疾患を誘発したり(自己の組織を攻撃することで)することがあります。

最近では放射線治療後または有効な抗がん剤や分子標的治療後に投与すると有効であることがわかってきました。

また少量の抗がん剤また分子標的薬とともに投与することも、免疫チェックポイントインヒビターの効果を上げるのに有効であるといわれております。

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婦人科がん手術について

現在、子宮頸がんおよび子宮体がんの広汎全摘のほとんどは、多摩北部医療センターで行っています。多摩北部医療センターは当院から20分ほどのところにあり、婦人科部長と院長との防衛医科大学校病院からのつながりで、手術が必要な患者さんは、そちらで行っております。

入院施設は2床だけありますが、点滴治療を受ける患者さんのために使用しております。

当院では、防衛医科大学校病院はもちろん国立西埼玉中央病院、所沢明生病院など近隣の病院とも提携しており、緊急に対応しております。

緊急時対応や緩和ケアーもそこで行うことができます。遠方からの患者さんには地元の病院とのコンタクトを取りながら治療を行うようにしております。

また、いざ困ったときには24時間院長と連絡が取れる体制となっておりますので、安心して治療が受けられます。

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提携病院

●防衛医科大学校病院

●瀬戸病院

●国立病院機構西埼玉中央病院

●多摩北部医療センター

●所沢PET画像診断クリニック

●埼玉医科大学国際医療センター

●並木病院

●東京西徳洲会病院

●所沢ハートセンター

●所沢明生病院

●所沢中央病院

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